書籍紹介:実践から学ぶ まちづくり入門講座(寺川 政司)

ありがたい本です。勉強になります。お薦めです。

【アマゾンの紹介内容】
 現代の都市は、人口減少、差別と貧困、空き家問題など、多くの課題に直面している。本書は、それらに関する課題や社会潮流について講義し、関連する用語や制度、施策、現代的なまちづくりについて学びながら、一方で、著者自身が実際に関わったまちづくり実践例を題材とし、熱くぶつかっていった経験を交えて語るものである。

【目次】

第Ⅰ部 移りゆく時代に挑む住まいとハウジングの物語

第Ⅱ部 まちづくりのこれまでとこれからにつなぐ物語
 07 国土形成計画とまちづくり
  7-1 国土計画の変遷と現在
  7-2 “コンパクト+ネットワーク”と 都市再生・地方創生
 08 エリアマネジメントとPPP/PFI
  8-1 エリアマネジメント
  8-2 急騰する都市再開発とまちづくり
  8-3 うめきた:大阪最後の一等地開発の挑戦
    8-4 えっ そんなことできるの? 「御堂筋チャレンジ」と「なんばひろば」
 09 コンパクトシティ地域再生
  9-1 コンパクトシティの特徴と課題
  9-2 人口減少社会とスマートシュリンキング
  9-3 都市のスポンジ化と空き地・空き家の活用
  9-4 移住・定住とマルチハビテーション
  9-5 暮らしのモビリティはどう変わるのか?
 10 景観まちづくりと観光
 11 密集市街地とまちづくり
 12 災害復興まちづくりのリアリティ

第Ⅲ部 時間・空間・制度・関係性にある間(あわい)の物語

【ポイント】

07 国土形成計画とまちづくり」は、氾濫する各種の都市計画を過去の国家施策のトップから一連の流れとして把握するのに必要な情報を記載してくれています(※現在の自治体の「まちづくり計画」の理解が進みます)。特に「08 エリアマネジメントとPPP/PFIPPPの手法」は勉強になりました。以下に記載すると

その主な手法には、
PFI(民間資金を活用した公共施設の建設・運営)
指定管理者制度(公共施設の管理を民間に委託)
③包括的民間委託(公共サービスを包括的に委託)
④DBO方式(設計・建設・運営を一括委託)
⑤コンセッション方式(運営権の売却)
などがあります。
 これらの手法を通じて、住民や利用者は公共サービスの質に関するフィードバックを行い、意思決定プロセスに参加したり、プロジェクトを監視したりすることができます。これにより、透明性や説明責任(アカウンタビリティ)が確保され、行政・民間・住民が協力しながら公共サービスの質を向上させることが可能となります。特に、住民の参加が成功の鍵になります。

⇒是非「理解」して頂きたい、今後の「まち作り(「ドット型国家」)」の必須の知識です。

 でふと気になるのが、「議会(議員)」と「住民」との関係です。昨今の住民主体という「キーワード」を良く耳にします。(前回の記事でも「「地域コミュニティ」丸投げ」の話題を記載しましたが…)。ですが、「住民」が組織できる主体は、以前「書籍紹介:働くことの小さな革命 ルポ 日本の「社会的連帯経済」(工藤 律子)」の記事で紹介した『協同労働』になります。但し、活動は制約を受けます(「各自の主業(生活)」があるからです)。
 とすると本来主業としてこの仕組みの中核には、「議会(議員)」が位置づけられてしかるべきではないでしょうか。それこそ「政治」(「議会制民主主義」)の姿です。この部分も具体化せねば…

 

以上です。