書籍紹介:日本人の勝算 人口減少×高齢化×資本主義(デービット・アンキーソン)

 お薦めです。「人口減少×高齢化」というパラダイムシフトに対応する資本主義の核が「生産性向上」にあること。これを、丁寧な論文整理から「政策」として提言しています。見えてくるのは「高付加価値・高所得経済」への転換。要石は「最低賃金引上げ」です。

 はずかしながら「賃上げ」「インバンド需要」「最低賃金引上げ」「女性活躍」「企業統合」等の日々流れるニュースが、「生産性向上」による「高付加価値・高所得経済」実現への一連の政策であることを理解出来ました。(※ニュースの中でも「解説」でこの辺の所を突っ込んでくれると助かります。政党のマニュフェストや政府の広報説明も個々の課題への対策の羅列ではなく、目指す全体像を具体化する一連の政策とその根拠をこのような内容としてを提示してもらうと選挙の投票行為の生産性が向上すると思います。)

【目次】
「人口減少×高齢化」というパラダイムシフトに打ち勝つ7つの生存戦略とは。
第1章 人口減少を直視せよ――今という「最後のチャンス」を逃すな
第2章 資本主義をアップデートせよ――「高付加価値・高所得経済」への転換
第3章 海外市場を目指せ――日本は「輸出できるもの」の宝庫だ
第4章 企業規模を拡大せよ――「日本人の底力」は大企業でこそ生きる
第5章 最低賃金を引き上げよ――「正当な評価」は人を動かす
第6章 生産性を高めよ――日本は「賃上げショック」で生まれ変わる
第7章 人材育成トレーニングを「強制」せよ――「大人の学び」は制度で増やせる

 経済政策としての「最低賃金引上げ」、輸入としての「インバンド」、さらに、中小企業の統合化、女性・高齢者の労働参加が「生産性向上」につながる事など「人口減少×高齢化」へのパラダイムシフトによって視点を変える必要が有る事が理解出来ます。

デンマーク社会は、「高付加価値・高所得経済」への『道しるべ』として今後研究します。

良著です。

以上