備忘録として書きます。
今回、「擬制商品(貨幣)」をどの様に取り扱うかは、「現状の金融経済を正しい姿に戻す着地点」を探す旅となりました。
新自由主義というキーワードから1990年代からの「アメリカ金融帝国」構築の歴史に着地点のアイデアがあるのではと調べていきましたが、なんと、そもそもアメリカが「金融経済」を肥大化させる背景には、当時の「双子の赤字」問題がありました。
では何故、「双子の赤字」が発生したかというと「ドル基軸体制」のジレンマでした。つまり「基軸通貨」は、アメリカの「貿易赤字」によって貿易相手国に蓄積されます。(貿易相手国は、基軸通貨「ドル」を持つことにより原油等の国際商品が買えます。また、「為替」の安定化の為に「外貨(ドル)準備」も必要です。)
だとすれば活発な経済活動のためには、アメリカは、豊富な量の「貨幣(基軸通貨)」を海外に提供することが必要となります。とすると、「ニクソン・ショック」にたどり着きます。つまり、「金の足枷」を外す事によるしかこの要求に対応する出来ませんでした。(金本位固定相場制の崩壊⇒商品としての「変動為替市場の成立」)
つまり最終的に、ブレトン・ウッズ体制の設計に行き当たります。往時ケインズは、兌換紙片ドルの基軸通貨に反対し、新国際通貨バンコールを創設し、この国際的管理通貨体制のもとでの国際通貨体制を提案しました。(ある意味国家によらない貨幣)※ここまでくるとそれこそ「仮想通貨」も視野に入ってきます。
つまり、現在の「国際通貨体制」の根本的な再構築になります。
⇒これはもはや「テクノロジスト」には想像もつかない世界です。
想像できる範囲で言えば、多極化の中で中心国が「基軸通貨」を引き受ける事が考えられますが、「基軸通貨のジレンマ」を維持できるほどの圧倒的な経済力を持つ国家が見当たらない以上恒久策とはならず、また、多国間共通通貨は、ユーロのように金融政策と財政政策が連携出来ない現状では、「ユーロ危機」に見られるような多難の道を歩きます。
以上の過程で、参考にしたのが、先の書籍紹介に挙げた
・ドル暴落後の日本 新・マネー敗戦(岩本 沙弓)
・金融大崩壊「アメリカ金融帝国」の終焉(水野和夫)
であり、以前に紹介した、「世界秩序が変わるとき 新自由主義からのゲームチェンジ(齋藤 ジン)」と合わせると、今回の「アメリカの関税政策は、「金融帝国化」が必要だった背景を別のゲームにチェンジする為の一歩であり、狙いは「双子の赤字」体質からの離脱(強いアメリカの復活)だとすると「圧倒的ドル安による貿易赤字解消と、国債を安定的に消化できる仕組みづくり」です。
以上が「ゲスの勘繰り」の背景です。