書籍紹介:「大転換」(カール・ポラニー)

書籍紹介です。10年程前に購入した「大転換」を読み直してます。4800円と高価のですが、紹介(フレッド・ブロック)だけでも対価に値します。

 

【私の思い】

擬似商品(労働、土地(自然環境)、貨幣)を警告を無視して商品として取り扱った末に訪れた今回の「新市場主義」、何故人類は過去に学ばないのか??

 

※以下本文抜粋・加工
本書は、19世紀文明(自己調整的市場を母体にバランス・オブ・パワー・システム、国際金本位制自由主義国家)の誕生とその興隆、そして20世紀前半におけるその滅亡の物語です。

【ポイント】
○滅亡の原因を「自己調整市場」という考え方がまったくの「ユートピアであったとしている。
自己調整市場の制度は、社会の人間的存在と自然的実在を壊滅させること無しには一瞬たりとも存在せず、「経済人」に依拠する人為的な社会は、19世紀のイギリスが生んだ突然変異であるとしている。
○自然で生来的な社会は、「互酬」「再分配」「家政」「交換」の4つの原理で経済をモデル化する必要があるとしている。
近代の経済学は、擬制商品(労働、土地(自然環境)、貨幣)が本来商品と全く同じように機能すると言う間違った前提に立っているとしている。

最近の「経済学の教科書」にはお目にかかれない「着眼点」です。多分、今後の資本主義と社会の着地点は、上記のポイントを意識する事になると思います。